企業の中核を担う管理職やマネージャーは、事業改革への挑戦、プレイングとの両立、そしてテレワークといった様々な働き方への対応などマネジメントの難しさがより一層高まる時代となっています。我流では適応できない場面も多く、マネジメント能力をトレーニングすることは課題解決の一つとしておすすめです。

まずマネジメント能力とは、一言で言うと『管理能力』のことです。ビジネスにおいては『経営資源の管理能力』を意味することが多く、管理職や経営者には必要な能力の1つです。同じようにリーダーやマネジャーに求められるスキルとして、リーダーシップがありますが、リーダーシップとは『部下やメンバーに進むべき方向性を示し、率いていく力』を指します。企業の経営資源には大きく人、物(資材や製品)、お金(運転資金)の3つがありますが、リーダーシップは発揮する対象が人のみであるのに対して、マネジメント能力は、物(資材や製品)、お金(運転資金)全てが対象になります。変化の激しい現在において企業で活躍するためには、リーダーシップとマネジメント能力両方が必要です。

マネジメント能力を構成するスキルは大きく5つあります。

・目標設定能力
まずはチームのミッションをしっかりと押さえ、メンバーがそれぞれどのくらいの力を発揮してくれそうかを見極めます。その上でメンバーそれぞれに目標を正しく伝えていきます。

・目標への進捗を管理する力
目標設定後は、実際に定めた目標に向かって着実に進んでいるかどうか把握するため、管理職の立場にいる人は定期的に進捗のチェックを行う必要があります。メンバーの好みを見極めながら、それぞれの部下に応じた進捗管理をしていくことが望ましいでしょう。

・良好な人間関係を構築するコミュニケーション力
部下と良質な人間関係を構築し、円滑なコミュニケーションを実現するために、いつでも話しかけてもいい雰囲気づくりを心がけましょう。

・状況を把握する力
目標実現のために現状のリスクや問題点を分析し、課題に応じたアクションを的確に判断する力です。状況把握にはロジカルシンキングが求められ、物事を理論立てて考えられることは、直感や感覚的な指示ではないため、部下から信頼感を得やすくパフォーマンス向上につながります。

・業務遂行能力
最後はテクニカルスキルと呼ばれる、業務を遂行する上で必要な専門知識やスキルです。組織を運営する能力とは別のスキルですが、部下だけでは手に負えないトラブルが発生した場合、管理職自ら対応を求められることが起きます。メンバーに手本を見せるという意味で管理職もテクニカルスキルが求められます。

ここからは、マネジメント能力を高めるポイントをご紹介します。

・自分の考えをメンバーに伝える
自身の考えをメンバーに伝えることでメンバーとの間に共通認識が生まれ、同じ方向性を目指すまとまったチームを作ることができるでしょう。

・メンバーとの日頃のコミュニケーションに傾聴やページングを取り入れる
相手に合わせたペースで話を聞き入れる傾聴の姿勢は相手との信頼関係を生みます。また相手に同調することをページングと言い、対話の際、相手に同調することを指します。日頃からこのようなコミュニケーションを心がけることで、部下にとって上司は自分の意見を受け入れてくれると認識するため、意見交換が活発な環境を生み出すでしょう。

・メンバーのスケジュールを把握する
メンバーのスケジュールを把握することは、業務の全体像を見渡すことができ、優先事項を決定しやすくなります。

・相手を認める
メンバー1人1人の思考や存在を受け入れ認めることは相手に存在を承認を与えることができ、信頼感のある関係性を築くことができます。

・現状の分析力と課題解決力を高める
現状を的確に把握するためには、そもそもの問題がなんなのか、メンバーが取り組んでいることは本当に大事な仕事なのかを見極める力が必要です。

・プロジェクトマネジメント力を磨く
プロジェクトマネジメント力とは、プロジェクトを円滑に進めるスキルです。具体的には、成果に向けて品質、コスト、納期を適切にコントロールする力を指します。プロジェクトマネジメント力を高めるには、自身の視点だけではなく他者の視点で物事を見るポジションチェンジの考え方が大切になります。

マネジメント能力はチームの成果を高める重要な能力です。この能力は複合スキルのため、一朝一夕で身につくものではありませんが、チームを率いて結果を出すために様々なスキルを身につけていきましょう。

投稿者 Owner